青の証明

ググレンジャー・ブルーの適当なブログ

最近起こったニュースだけで小説を書いてみた『侵入したその先には腹式呼吸と新ポーズそしてにじいろのあの日』

学校

よく晴れた日曜日の昼下がり、こんなに清々しい日はいつ以来だろう…

 

私は大きな壁の前に立っていた。その中からはほとんど音がしない。日曜は人が少ないのだ。こんな日は"中に入る”のにちょうどいい。

 

壁を伝って歩いて行くと、校門には人が立っている。日曜とは言えど生徒はいるようだ。ここからはまずい、と他の入り口を探した。

 

裏に回ると誰もいない小さな入り口があった。周りには誰もいない。

 

 

中に入ると、楽器の音が聞こえてきた。吹奏楽部が練習をしているようだ。

 

先生:「君たちは腹式呼吸がなっていない!そんなことでは一流の音楽家にはなれないぞ!」

生徒:「はい!がんばります!」

先生:「腹式呼吸をマスターするには、僕とエッチするしかないんだ!」

生徒:「は?」

先生:「さあ!みんな脱ぐんだ!」

生徒:「は?バカじゃないの?」

 

女子生徒を前に、腹式呼吸をレクチャーしようとしている先生はそれでも怯まない。

 

先生:「みんな音が弱い、体の中から変えていくには僕とエッチしないといけないんだ!」

生徒:「こいつキモいんだけど!」

 

先生はこれでもか!と腰を曲げ、私がこれまでに見たこともないような『ポーズ』で生徒の話を聞いている。

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そんな先生と生徒の攻防を横目に、奥の方へ進んでいく。私にはこんな”変態おじさん”に付き合っている暇はない。

 

廊下を歩いていくと、「更衣室」と書かれた部屋があった。

 

ここだ!私は中に入り物色する。目的の制服を片手にすぐに外へ飛び出すはずだった。

 

しかし制服を片手に出ようとしたその時、部屋の外からだんだん近づく人の声が聞こえてくる。

 

誰だーーー!

 

そこに立っていたのは吹奏楽部の女子生徒にキモいと言われていたあの"変態先生”だった。よりによってあの先生に見つかってしまうとは、この人だって私と同類じゃないか!

 

しかし、そんなことはどうでもいい、捕まってしまうと私の人生は終わってしまう。後ろに手を伸ばし窓を開け、体ごと飛び出した。

 

運良く芝生の上に落ちたが、地面に叩きつけられた衝撃は激しく体はズキズキと痛む、しかし捕まるわけにはいかない。私は必死にあの小さな入口に向かって走った。

 

 

どれくらい走っただろうか…追手はもう来ていないようだ。何の成果も得ることができなかったが、そんな今日を恨んでも仕方ない…

 

私は傷ついた体を引きずりながら帰路に着いた。

 

 

翌日

私はいつものように同じ時間に起き、家を出た。

しかし体が痛む、こんな状況で仕事ができるのだろうか?

 

いつもより時間をかけ事務所に着いた私を待っていたのは、少し焦っているように見えるエンジニアの村木くんだった。

 

「そちらの会社の方がウチの学校に忍び込んだ。監視カメラに映っている。」と今朝、あの学校から電話が入ったそうだ。

 

私は村木くんに、悪気があったわけじゃない。出来心だった。なんとか力を貸して欲しいと頼み込んだ。

 

すると村木くんは、あの学校の校長である”邪弐さん”に『謝る機械』を作ってくれた。

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あの機械のおかげでなんとか事なきを得たようだ。あの機械がなければ…村木くんがいなければ今の私はいない…

 

しかし私は『心身ともに壊れる寸前になり、とても仕事を続けられる状態ではなかった』

 

この会社のおかげで楽しく元気に生活することができていた。まるで『にじいろ』のような会社を、残念ながら今日からしばらく休まざるを得なくなってしまった。

 

私はこれからもずっと『あの日』を忘れることは、きっとないだろう…